第6話「水辺にまつわるエトセトラ(成人済)」
脚本:雑破 業 絵コンテ:河合滋樹 演出:河合滋樹 作画監督:杉生祐一・本村晃一
さわやかな風の吹く川べりで、スティーレのスタッフ親睦会が始まった。
はしゃぐ苺香をよそに、苦手なアウトドアで居場所をなくすインドア派の夏帆・秋月・美雨。
やがて、それぞれが持ち寄った食材で、バーベキューの準備が始まるが、
苺香が持ってきた“とある食材”が全員のド肝を抜く。
ディーノと苺香は、次は海に行く約束をするが…。
『ブレンド・S』6話を観ました。
11月に入ってすっかり寒くなっていますが、劇中は夏まっさかり。
スティーレの従業員たちが、川原でバーベキューをしたり、海水浴に行ったりと、親睦を深めていきます。
今回は初めて、スティーレ店内での話が描かれなかったため、「属性」ネタは少なめでした。
夏帆は「ツンデレ要素どこ行った」と言いたくなるほど無邪気にはしゃいでいるし、麻冬にいたってはビールを飲んでいます(20歳なので合法)。麻冬ファンのお客が見たら卒倒しそう。
そのぶん、苺香とディーノのラブコメ展開に多くの時間が割かれていて、2人の関係がかなり進展したように思います。
小悪魔苺香、略して(2回目)
7話は、これまで以上に苺香の小悪魔ぶりが際立っていました。
焼きマシュマロを食べて火傷した舌をペロッと出したり、水着についているパレオをペロンとめくったり…。
気になっている女性のこんな仕草を見たら、ディーノも鼻血を出して当然です。
そして極めつけは、海に行くとしてもスクール水着しか持っていないからと、「水着を買うのに付き合ってくれませんか?」とディーノに言うシーン。
文字通り、誘ってやがる。
誰かに見つくろってほしいとしても、普通は同性である夏帆か麻冬と一緒に行くものでしょう。
単行本2巻8話でも、「苺香はその店長さんと付き合ってるの?」とクラスメイトに指摘されていました。
引用:『ブレンド・S』2巻69ページ というか、苺香って学校に友達いたんだ…(失礼)
これらの行動から分かるのは、苺香はディーノを男性だと思っていないということです。
3話で膝枕をしたり、5話で同じトリートメントを使ったりもしていますが、このときもまったく恥ずかしがっていませんでした。
「男性」や「女性」とは別に「外国人」というカテゴリーがあって、苺香の中でディーノはそこに割り当てられているのかもしれません。
そうした苺香の感情に初めて変化が見られたのが、Bパートの海水浴での一件です。
カッコつけようとしなければカッコいいディーノ
海で遊んでいる最中、知らず知らずのうちに苺香は足をケガしてしまっていました。
慌てたディーノは、苺香をお姫様抱っこして座れる場所に連れていき、傷口を消毒するために彼女の足を触ります。
このとき、ディーノに下心はなく、ポイント稼ぎをしようとも一切考えていません。
むしろ、「店長さん、今日はなんだか大きく見えます」と、ディーノを大人の男性として意識するかのような発言を苺香がしています。
このシーンの前、海で溺れそうになった苺香が自分の腕をつかんで助けを求めたとき、ディーノは心のなかで「ラッキースケベ!」と喜ぶのですが、そのときはドS顔でにらみつけられてしまいました(ある意味ごほうびですが)。
相手に好かれたい、自分をよく見せたいと思うほど、気持ちは空回りしてしまうもの。
純粋に自分を心配してくれたディーノに、苺香も感じるものがあったのでしょう。
もちろん、まだ恋愛感情と呼べるものではないのでしょうが、2人の関係が1歩前に進んだ、重要な回だったと思います。
総括
Aパート前半は単行本2巻6話、Aパート後半は2巻7話、Bパートは2巻9話に収録されているエピソードでした。
苺香とディーノはもちろん、前回フラグが立った夏帆と秋月のやり取りも見ものでしたね。
女性の水着姿を見るのに慣れていないと目をそらす秋月に、おっぱいを揺らしながら迫る夏帆…。なんという痴女!
次回の7話は、海で日焼けをしたことを利用したジャングル喫茶の話(2巻10話)、ディーノと苺香が買い物に出かける話(1巻9話)のようです。
また、公式サイトの予告ページの画像を見る限り、スティーレが忙しくなってきて人手が足りなくなる話(2巻13話)もあるようで、期待が高まります。
どうしてかというと、この話のラストに、ひでりが一瞬だけ出てくるからです。
犬の「オーナー」の話や、麻冬と常連客の男性の話などが挟まれなければ、ひでりが正式に登場するのは再来週の8話になるのではないでしょうか。
『けいおん!』のアニメ1期で梓が登場したのも8話だったので、新キャラの投入にはちょうど良いタイミングなのかもしれません。
ひでりが入ってから、スティーレの人間関係はさらに複雑になって面白くなるので、楽しみに待ちたいと思います。