神崎ひでり参戦!!(スマブラ風に)
そして次週から、ついにひでりの出番モリモリです!みなさまおまたせいたしました! #ブレンドS https://t.co/8GNpG9YAsx pic.twitter.com/w3NBdQrkIT
— TVアニメ『ブレンド・S』公式 (@blend_s_anime) 2017年11月18日
「ひでりきゅんいつ出るの?」「最終話のラストシーンにちょっとだけとかじゃないよね?」と視聴者をやきもきさせていた、『ブレンド・S』の神崎ひでり(CV:徳井青空さん)。
アニメ第7話のCパートで、顔は隠れているものの姿を見せ、第8話から正式に登場することが明らかになりました。
今回はアニメでの登場に先がけて、ひでりというキャラクターの魅力をあますところなくご紹介します。
第8話のサブタイトルは「アイドル属性も、ついてます」←何がついてるんですかねぇ…
従業員が「属性」になりきって接客をするという、秋葉原にある喫茶店・スティーレ。
このお店では、「ドS」担当の主人公・苺香をはじめ、「ツンデレ」担当の夏帆、「妹」担当の麻冬、「お姉さん」担当の美雨などが働いています。
引用:『ブレンド・S』3巻13ページ
このシーン、まだアニメで観ていないのに徳井青空さんの声で再生される。
ひでりは、5人目の接客担当のアルバイトとして採用されました。
女性陣もメロメロになる可愛い容姿に加え、一人称は「僕」と、普段から立派な属性がついています。
接客時はアイドルさながらのパフォーマンスを披露し、アルバイト初日にしてお客さんのハートをわしづかみ。
しかし、ひでりにはある秘密があったのです…。
引用:『ブレンド・S』3巻14ページ
なんのためらいもなく、ゴキブリを素手で捕まえる。行動もさることながら、表情がやけに「男」らしい。
というか記事のタイトルに書いていますが、「彼」は男の娘です。
ひでりの夢は、持ち前の可愛さを活かしてアイドルになること。
しかし両親には理解してもらえず、家業である農業を継ぐように言われていました。
スティーレに入ったのは、まずここでファンを増やし、両親にアイドルとしての才能を見せつけるためだそうです。
公式のキャラクター投票などは行われていないものの、先日、ひでりの人気ぶりをうかがい知れる出来事がありました。
おまたせ#ブレンドS pic.twitter.com/fada9ijwq0
— 中山幸 (@okmgmk) 2017年11月18日
アニメ第7話の放送後、原作者の中山幸さんがTwitterに投稿したイラストに、とんでもない数のRT・いいねが…。
中山幸さんは日ごろから、アニメの放送にあわせて各キャラクターの描きおろしイラストを投稿していますが、いつもの倍近く拡散されています。
どれだけの人が、ひでりの登場を心待ちにしていたか分かるというものです。
しかしこのイラスト、ホント可愛い…。
承認欲求の塊
ひでりの行動原理は、実にシンプルです。
可愛いと言われたい。ちやほやされたい。以上。
彼が「店長を落とす!」と宣言するシーンは、いろいろ妄想がはかどりますが、苺香一筋のディーノが自分に関心を示さないからムキになっているだけで、「そういう」嗜好はないと思われます。
可愛いとさえ言ってくれれば、相手は男でも女でもどっちでもいいのでしょう。
引用:『ブレンド・S』3巻49ページ
基本的に自分しか見ていない。あまり接点がない夏帆や麻冬のことはさらに見ていない。
ちやほやされるためなら、ひでりはなんでもします。
SNSに自撮り写真をアップしたり、スキーに行ったときはゲレンデであざとく転んでイケメンを釣ろうとしたり。
スティーレの制服も、自分に似合うように勝手にアレンジしてしまいました。
彼いわく、「僕が可愛くなる事に許可なんて要ります?(真顔)」とのこと。
2017年の「新語・流行語大賞」に「インスタ映え」がノミネートされたように、今は承認欲求の時代です。
自分をよく見せたい。きれい、すごい、可愛いと言ってもらいたい。
そのためなら、平気で嘘もつくし、画像も加工する。
先日、Eテレの番組『ねほりんぱほりん』で「偽装キラキラ女子」特集の再放送がありましたが、関西に住んでいるのに「港区在住のOL」を演じていた人もいるそうです。
引用:『ブレンド・S』3巻27ページ
当然というか、SNSに自撮り写真をアップしている。ひでりきゅんのニーソ太もも…ごくり。
ある意味ひでりも「偽装女子」ですが、性別以外は特に偽っていません(そこ偽っちゃダメだろうというツッコミはなしで)。
可愛さは生まれつきだし、銀髪のサラサラロングヘアーもカツラではなく地毛。
休日も、自分に似合う洋服を探すために街へ繰り出します。休みだからといってダラダラしていない。
自分を偽るのではなく、長所を伸ばす努力をする。その姿勢は見習いたいものです。
スティーレに欠けていた最後のピース
マンガの世界において、男の娘はとても「便利」なキャラクターです。
見た目は女、中身は男。それゆえ、女性キャラ、男性キャラのどちらといても違和感がない。
同性愛などをテーマにしない作品であっても、話を動かしやすくするために男の娘キャラを登場させるという手法はよく取られています。
ひでりも、男の娘キャラに求められる役割を忠実に遂行しています。
あるときは女性陣とキャッキャしたり、またあるときは男性陣とわいわいしたり。
特に、スティーレの男性スタッフはディーノと秋月の2人だけだったため、ひでりが加わって3人になることでバランスが良くなった気がします。
ただ、ひでりには男の娘キャラであると同時に、最年少キャラ、いじられキャラという側面もあります。
それが顕著なのが、ディーノ、苺香と一緒にいるとき。
引用:『ブレンド・S』4巻43ページ
ストーカーにつけられているとひでりが訴えてもこの塩対応。
ディーノはスティーレの店長であるにもかかわらず、仕事をしない、ヘタレと、従業員たちからあまり良い扱いを受けていません(自業自得ですが)。
そんなディーノも、ひでりに対する態度はかなり辛辣。他の従業員には言わないような毒舌も吐きます。
苺香を取り合うライバルになるかもしれないからと、男性スタッフを増やすのをためらっていた経緯があるので、そのせいかもしれません。
ひでりとの掛け合いは、誰に対しても優しいディーノの素が垣間見える貴重なシーンでもあります。
引用:『ブレンド・S』3巻13ページ
「何がですか?」じゃないですが何か
一方、苺香はスティーレの従業員の中で一番年下(16歳)です。
夏帆や麻冬とは休日に買い物にも行く間柄ですが、友達というよりは仲の良い先輩といったところ。
同い年のひでりと話しているときの苺香は、肩の力が抜けていてとても自然体に見えます。
ゆえに彼女の天然Sぶりが遺憾なく発揮されてしまい、ひでりが振り回されることもしばしば…。
美雨も自分より後に入ってきたとはいえ22歳なので、本当の後輩ができたみたいでうれしいのではないでしょうか。
ひでりが登場したのは単行本2巻13話からですが、単行本1巻6話で、ディーノが「もう二人欲しいデスね。お姉さんキャラやボーイッシュなボクっ娘キャラとか…」と話しています。
もちろん、「お姉さんキャラ」は美雨、「ボーイッシュなボクっ娘キャラ」はひでりのことでしょう。
連載の初期段階から構想が練られていただけあって、登場するのが遅かったにもかかわらず、ひでりはスティーレの一員としてすっかり作品にとけ込んでいます。
キャラが濃いようで薄い、絶妙な存在感
自分がスティーレの中で一番可愛いと信じて疑わず、お客さんを「萌え豚」と呼び、一見するとトラブルメーカーのようにも思えるひでり。
しかし、実際に彼が誰かに迷惑をかけているシーンはほとんどありません。
なんだかんだで仕事はちゃんとしているし、アルバイトを始めた当初は「すぐにこの店のてっぺんとりますよ!」と意気込んでいたものの、他の従業員の邪魔をしたりもしない。
引用:『ブレンド・S』3巻103ページ
吹き出しで露骨に隠されている。\ヒッデリ~ン/
むしろ、彼は作中で「消えている」ことがよくあります。
どのコマにも映っていないことも多いし、映っていても見切れていたり、何も言わなかったりする。
おそらくこれは彼の、というより作者の中山幸さんの計算でしょう。
ひでりは、見た目も性格も強烈なキャラクター。あまり前に出すぎてしまったら、苺香とディーノの恋愛模様といった作品のテーマがかすんでしまいますし、読者にも悪い意味で「ひでりうざい」「腹パンしたい」と思われてしまうかもしれません。
自分が話題の中心になれると思ったときは好きなだけ目立ち、そうでないときはおとなしくしている。そういうしたたかさが、ひでりにはあるのです。
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言うだけの努力はしている。だからがんばる人を応援する
ディーノが苺香のことを好きだと知ったひでりは、なりゆきでディーノの恋愛指南をすることに。
からかい半分かと思いきや、「女性の気持ちが分かる男性」という立場から行う彼のアドバイスは、意外と的を射ています。
とにかく褒める。行動で示す。プレゼントをあげる。
どれも成功したとは言えないものの、恋愛に関して奥手だったディーノはひでりのレクチャーを受けた結果、苺香に2回も告白することができるようになります(2回したという時点で結果はお察し)。
しかし、ひでりがディーノの恋路を応援しなければならない理由は特にありません。
むしろ、ディーノが本当に苺香と付き合うようになったら、今まで以上に自分のことを気にかけなくなり、「店長を落とす」という目的からさらに遠ざかるはず。
恩を売ろうとしているのか? とも考えましたが、たぶん彼は純粋にディーノを応援しているんだろうなと分かるエピソードが、単行本4巻に収録されています。
引用:『ブレンド・S』4巻48ページ
ひでりの真剣な横顔、ホント尊い…。
今から2年前、ひでりはネットアイドルを目指し、動画サイトで生放送を配信していたそうです。
ある日、敵情視察と称して他の人の生放送を観ていたとき、その動画が荒らしの標的になっていました。
「好きな事頑張ってる人を貶すのは許せない」と、彼はその荒らしにバトルをしかけます。
彼のこの勇気ある行動が、新しい出会いを生むのですが…、それは単行本4巻でのお楽しみ。残り話数的に、アニメでは観られないかもしれません。
ひでりは、エフィカシー(自己効力感)がとても高いキャラクターです。
自分は可愛い。アイドルになれる才能を持っている。実際、ネットでは大手コミュだった。だから現実でもなれるはず。
そもそも男であるとか、農家の息子とか、彼にとっては障害でもなんでもないのです。
引用:『ブレンド・S』3巻13ページ
ディーノの告白シーンに目を輝かせるひでり。恋バナが好きなお年頃でもある。
だからこそ、ひでりはディーノに協力したのではないでしょうか。
苺香との関係をなかなか進展させられないディーノに「ヘタレ」「アホ」「ウンコ」と罵詈雑言を浴びせるものの、「従業員の女子高生を好きになるって店長としてどうなの?」とは言わない。
それは、ディーノの苺香を好きな気持ちが本物だと知っているから。
外国人だからとか、年上だからとか関係ない。大好きな相手に振り向いてほしい。そのために、うまくいかなくても諦めずに奮闘するディーノを、ひでりが応援しないわけがないのです。
可愛いだけでなく、努力家な一面もあり、ときには男気あふれる行動を取ることもあるひでり。
アニメでの活躍が、今から楽しみです。