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【ネタバレ注意】『ブレンド・S』9話感想

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第9話「オーナー就任、シスター襲来」

脚本:森町やこ 絵コンテ:松本顕吾 演出:松本顕吾 作画監督:油谷陽介・前田学史・飯田 遥・稲田正輝・波部 崇

出勤前に、大型の捨て犬を拾ってしまった苺香がスティーレに犬を連れてきた。
苺香の自宅では飼えないため里親を探さねばならないが、誰も引き取れない。
目つきが苺香に似たこの犬は里親が見つかるまで、
ディーノの部屋で預かることになり、ディーノは犬の世話に追われる。
苺香はお礼にお菓子を作ってディーノに渡すことを思いつく。

『ブレンド・S』第9話を観ました。

感想は目次のあとから書いていますが、「4コマオブザイヤー2017」が絶賛開催中です。

今年(2016年12月~2017年11月)単行本が発売された4コマに投票でき、『ブレンド・S』の原作では3巻と4巻が既刊部門の対象になっています。

と宣伝をしつつ、私は別の作品に投票しました。1巻を2015年の新刊部門に投票済みなので…。

Twitterのアカウントさえあれば誰でも投票可能なので、ぜひ参加してみてください。

「彼氏」と「好きな人」の違いって?

Aパートは、OP映像などではすでに登場していた、犬の「オーナー」の話。

学校が終わってスティーレに向かう道すがら、苺香は捨て犬を発見します。

見て見ぬフリをするわけにもいかず、その犬をお店に連れて行くことに。

第1話でも野良猫に出くわして喜んでいたように、苺香は動物が好きなようです。

そのときは渾身のドS顔を披露して逃げられていましたが、今回は自然な笑顔を作れていました。犬の方も、そんな苺香に早くも懐いた模様。

属性接客という特殊な仕事とはいえ、飲食店のアルバイトで対人スキルを磨いたことで、表情が柔らかくなっているのかもしれません。

スティーレに到着した苺香は、誰かの家で飼えないかと従業員たちに聞いて回りますが、それぞれ事情があってムリとのこと。

結局、お店の上の階に住んでいるので様子を見に行きやすい、犬の目つきが苺香に似ているなどが理由となり、ディーノが飼うことになりました。

「店長さんのところで居候だから『オーナー』」と、苺香が犬の名付け親に。担当声優は、秋月役と同じ鈴木達央さんです。

オーナーの飼い主が見つかってひと安心の苺香。

気がゆるんだのか、お店に戻る途中で「これから店長さんとずっと一緒だなんて、オーナーが少しうらやましいですね」と、なにげに衝撃的な言葉を発します。

店長・オーナーとややこしいですが、うらやましがっているのは「ディーノと一緒にいられること」です。

今回のアバンタイトルで、苺香はクラスメイトに「好きな相手や彼氏でもない男と水着を買いに行くのはおかしい」と指摘されていました(第6話のレビュー記事で言及したシーン)。

それが気になって、オーナーの飼い主を探しながらも、心の片隅では「自分にとってディーノはどういう人なのか?」をずっと考えていたのかもしれません。

恋愛ごとに疎い苺香なので、「彼氏」ではなく「(広い意味で)好きな人」なのだと思いますが、ずっと一緒にいても飽きない相手なのは間違いないのでしょう。

ドSの姉は鬼畜

Bパートは、単行本3巻11話に収録されているお話。

オーナーの世話を引き受けてくれたお礼にと、苺香はディーノに毎日お菓子を作るようになります。

そんな妹の初々しさに、ふたりの関係が進展したと感じたのか、姉の愛香は「苺香のバイト先に行ってみたい」と言い出しました。

原作では、苺香がお菓子を作る話(単行本2巻11話)と、この話は別のエピソードなのですが、「愛香が登場する」という共通点によってうまくつながっています。

苺香の天然さは、これまでアニメを観てきた方ならもうご存知だと思いますが、愛香も相当なもの。

スティーレの前まで黒塗りの高級車で乗りつけたり(運転手にもわざわざ「それ」っぽい服装をさせる)、接客中の苺香を用がないのに何度も呼び出したり…。

極めつけは、家族の中で自分だけがきついツリ目であることに気づき、「私だけ拾われた可能性もあるのでは…?」と苺香が落ち込むシーン。

そんなことはないとディーノは慰めますが、愛香は逆に「ディーノが苺香を泣かせた」と勘違いし、どこからともなく薙刀を取り出します。

そのときの彼女の表情は、ドSというよりも、鬼畜・ヤンデレキャラに近いものでした。

もちろん、妹を大切に想っている、ディーノのことも信頼していたからこその行動なのでしょうが、小姑としての愛香と付き合うのはかなり大変そうです。

アニオリのひでりも可愛い

話をAパートに戻すと、Aパート前半は単行本2巻8話、後半は2巻11話に収録されているエピソードでした。

時系列では、アニメ第6話・第7話と重なる部分が多いので、今回の話を第8話で放送するのが自然な流れのはず。

推測ですが、ひでりをできるだけ早くアニメに登場させるために原作と順番を変えたのではないでしょうか。

予告を見る限り、次回は麻冬メインの回になると思われ、これも原作ではひでりがスティーレに来る前の話です。

原作の順番通りにアニメ化したとすると、ひでりが出るのは第10話。新キャラを投入するには少し遅いですね。

そのため、オーナーの処遇について話し合っている場面にひでりがいるのは、アニメオリジナルです。

「客の萌え豚に押しつけちゃえばいいんじゃない?」というセリフは実に彼らしいですが、話の本筋を曲げるような言動はしません。

オーナーを飼うかどうかディーノが迷っているときも、無言でただ突っ立っているだけでした。

こういう、別にいなくてもいいシーンにいるひでりって、妙に可愛いんですよね。

そのあたりについては、下記の特集記事で語っているので、よければご覧ください(ここぞとばかりに宣伝)。

www.mashiro-writer.com