こんにちは。「まっしろライター」のましろ(@mashirog)です。
ライターという仕事をしているくらいなので、日本語の使い方に関しては昔から色々と考えていた方だと思います。
社会人になってからは、特に敬語表現に注意するようになりました。
会社を退職してライターになった今も、クライアント様とのやり取りなどで敬語を使う機会はたくさんあります。
その中で、「これ、意味としては正しいはずだけど、できれば使いたくないな……」と思っている言葉がいくつかあるので、紹介してみます。
「やぶさかでない」
まずはこれ。
躊躇するという意味の「やぶさか」に、「~でない」がついて、逆説的に強い肯定を表す言葉になっています。
「~するのはやぶさかじゃありません」という風に使いますね。
もうちょっと砕けた言い方にすると、
「オレなんかでよかったら全然やりますってwww」
くらいのイメージでしょうか(砕けすぎ)
けれど個人的には、この言葉を見るとどうしても、
「まあ、別にやってあげないこともないけど?(クイッ/メガネを上げる音)」
という画が浮かんできてしまうのです。
どうも上から目線というか。「~でない」とついているせいでしょうか。
日常的に使う言葉ではないかもしれませんが、何かを引き受けるのであれば、自分なら素直に「喜んでやらせていただきます」と書くかなと思います。
「いたしかねます」
「やぶさかでない」とは反対に、自分にはできない仕事を断るときに使う言葉です。
敬語のマナー本などでは、「できません」は失礼な表現だから、目上の人やお客様には「いたしかねます」「できかねます」と言うべき、と書かれていますよね。
けれどこれも、「いたしかねます」の方が言われた側はきついんじゃないかと思います。
例えばライターの仕事に例えると、今の単価では低すぎるからもうちょっと上げてほしいとクライアント様に単価交渉をして、残念ながら断られてしまったとき。
このとき「単価アップをお受けすることはできません」と言われたら、しばらくは今の単価で続けてみて、時期が来たらもう一度交渉してみようかな?という気になる。
しかし「単価アップはいたしかねます」だと取り付く島がないというか、もう絶対に単価上げてくれないんだろうな……と、継続するかどうかまで考えてしまう。
断っているのだから、どう書いたところで失礼になるのは仕方ありませんが、自分なら正直に「お受けできません」「難しいです」みたいに書くかなと思います。
「ご苦労様です」
これは割とメジャー(?)な問題ではないでしょうか。「ご苦労様」と「お疲れ様」をどう使い分けるべきか。
どちらも「御」と「様」がついているけれど、「ご苦労様」は自分に奉仕してくれた人をねぎらうニュアンスがあるので、目上の人に使うのは失礼だと言われていますよね。
そこまでは私も同意なのですが……。別に目上の人だって、部下や後輩に「お疲れ様」って言えば良くないですか?
「お疲れ様」は「ご苦労様」の上位互換というか、「お疲れ様」より「ご苦労様」が正しいケースがひとつも思いつかない。
社長に対しては「お疲れ様」すらNGで、「社長、どうも…」が正解、という意見も聞いたことがありますが、こうした場合は漏れなく「ご苦労様」もNGでしょう。
会社員時代を振り返っても、物腰の柔らかい先輩や、仕事では厳しくても人間としては尊敬できる上司は、全員「お疲れ様」「お疲れ」と言っていた気がします。「ご苦労様」と言っていた人の顔は思い出せません。
幸か不幸か、今のところ「目下の人をねぎらう」という機会がほとんどありませんが、もしその立場になっても「お疲れ様」と言うようにしたいなと思います。
まとめ
他にもこういうネタが何個かあるので、シリーズ化してまた書くかもしれません。
書いていて思ったのは、「日本語の意味として正しいか」はもちろん、「言われた人がそれを聞いてどう感じるか」まで考えて言葉を選ぶ必要があるんだろうな、ということ。
対面ならともかく、メールでのやり取りでそこまで推し量るのは難しいのですが……。もしイラッとさせていたらごめんなさい。